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マウスピースのオーダーメイド

オーダーメイドの経緯

 2003年1月にCerveny製(チェコ)のロータリーフリューゲルホルン(CFH-502)を購入しました。しかし下写真の楽器についてくる純正マウスピースは作りや音質が良くないと雑誌等で前評判があり、実際にその通りでした。

  

インプレッション

・自分のイメージ通りのフリューゲルホルンの音が出ない(CFH-502は野外演奏にも向きカップの作りが浅い)

・基音となるB♭の音程がむちゃくちゃ下がる、高音域でのコントロールが効きにくい

・少しでも現在使用のホルンマウスピースの口当たりに近づけたかった(持ち替えもできるかな?と思った)

↓一か八かでWeb上をさまよっているうちにある一つの工房のサイトにたどり着いた

Toshi Trumpet Atelier

 ヤマハで長年トランペットの設計をされていた亀山敏昭さんの営む工房です。マウスピースの製作・改造、トランペット類の修理・調整を主な業務としており、工房には国内外のプロ・アマチュア奏者が訪れ、交流の場にもなっている

〜楽器購入1週間後、早速アポイントメントを取り、静岡県浜松市にある工房へ〜

工房にて

 看板はあるモノの工房は民家の中に埋もれており大変見つけにくい。しかし工房は真新しく、試奏室からガラス張りの工房が見れるという構造。試奏室には古楽器や色んなCD、その時販売していたシャガールのロータリートランペット(GP)が並べられておりました。早速楽器を見ていただくと、「じゃあ一本作ってみましょうか」早速作業開始              

■楽器を調べていただくと色んな事が判明■

 ・通常のトランペットでもフリューゲルホルンでもないシャンク(チェコ楽器特有の細いシャンク)  

 ・純正のマウスピースは構造上音程が調整しにくくぶら下がりやすい(バックシャンクの金属が厚い)

 ・楽器のマウスパイプも若干ゆがんでいた(T-T)  etc

◎某メーカーのフリューゲルホルン用のマウスピースをリメークという形で作業は進んだ。非常に親切にマウスピースの事について教えていただき、試奏と調整を繰り返しながら総工程約3時間。ついにノーラッカーのマウスピースが完成 (^o^)

試奏

・カップは通常のフリューゲルホルンマウスピースより更に深くなり、音色には瑞々しさ・落ち着きが出た

(比較画像 *1 *2

・リムの形状もホルンの物に近い(比較画像 *3 *4

・下のB♭の音程が異常に悪かったが、それも含めたその他の開放の音程も口で修正できる程度にまで落ち着き、何より飛躍的に高音域の音程が安定し、コントロールしやすくなった

マウスピース講座

 比較画像*1を見ていただくと、(光の加減等は置いておいて)今回製作したマウスピースのカップの底(ボアの入口)に少しばかり暗くなった影の部分が見えると思います。これが音程も含めコントロールに大事な部分ということ。影のように見えるのは、カップとスロートと接する部分のショルダーと呼ばれる部分の手前の領域です。つまり2重勾配が付いているわけです。亀山氏の長年の経験からこれが重要要素の一つということです。
カップ
ショルダー部付近
バックボア
純正品  ・浅い

・効果:明るい音が出せる   

・カップからストンっとスロートには入り勾配がきつく音程等のコントロールが難しい ・スロートに近い部分から広がり始める。野外演奏のための大きい音量が得られるがコントロールが難しい
亀山スペシャル ・比較的深い

・効果:音が暗い目になる

・2重勾配がとってあり特に高音域の音程の微妙なコントロールが容易になる

・スロートから離れた部分から広がり始める

・効果:音量は豊かではなくなるがコントロールが容易になる

参考サイト:ヤマハホームページマウスピース選びより /参考になった話:製作途中の亀山氏の丁寧な説明

・・・・それから3日後きれいに銀メッキされたマウスピースが届いた

商品が届いた!!梱包されたマウスピースの画像

亀山スペシャルの証し!!かわいいカメマークの画像