ワーグナーチューバの活躍する主な楽曲 | |
1. R.ワーグナー(ワーグナーチューバの創案者 楽劇王) | |
作品 | 編成/メモ |
楽劇「ニーベルングの指環」 |
4本必要 5,6thHorn持ち替え →tenor tuba ×2 7,8thHorn持ち替え →bass tuba ×2 |
・序夜「ラインの黄金」 |
・史上初めてワーグナーチューバが奏でたメインテーマ「ワルハラ城への入場」のテーマは大変神々しい。フィナーレにはハイFも登場するなど大変音域が広い!!ワルキューレ以降、こういった飛び道具的な使い方はされていない ・バステューバの大蛇の動機にも注目 |
・第1夜「ワルキューレ」 |
・フンディングのテーマを勇壮に奏でる。 ・第2幕4場のブリュンヒルデがジークムントに死の告知をする場面 |
・第2夜「ジークフリート」 | ・第2幕のジークフリートコール終盤の大蛇の動機 |
・第3夜「神々の黄昏」 | ・ジークフリートの葬送行進曲におけるヴェルズング族の動機 |
2.A.ブルックナー | |
作品 | 編成/メモ |
・交響曲第7番 | 4本必要(tenor tuba ×2、Bass tuba ×2) ※tubaパートはホルン演奏譜面なし ・第2楽章より登場。第2楽章冒頭から主要な見せ場。 |
・交響曲第8番 | 4本必要 (5-8th Hr 持ち替え。楽章中にHrとの持替有) tenor tuba ×2、Bass tuba ×2 ・第1,3,4楽章登場。第3楽章終盤のホルンと共に奏でられる音楽は比類なき美しさ。 有名旋律はこちら |
・交響曲第9番 | 4本必要 (5-8th Hr は1,2楽章はホルンを演奏し、3楽章はtubaのみで演奏) tenor tuba ×2、Bass tuba ×2 ・楽章初めに奏でられるコラール主題、時に不協和音が奏されるにも注目。 ・楽章終盤の主題を弱奏で回想するシーン |
3.リヒャルト・シュトラウス | |
作品 | 編成/メモ |
・アルプス交響曲 | 4本必要(指定はtenor
tuba ×4)(要 弱音器) (5-8thホルンが曲中に適宜持ち替え) ・嵐の部分できっちり鳴るとすさまじい響きがもたらす効果は絶大。かなり音が低い。 ・ワーグナーチューバの使われ方はブルックナー交響曲とは異なり、美しい和音進行というわけでなく、音量補強と輪郭をより膨らませるための効果増大に使用される。 |
・影のない女 | 4本必要(指定はtenor
tuba ×4) (5-8thホルンが曲中に適宜持ち替え) ・1幕、2幕で登場。特に2幕では4本で力強く強奏を奏でる。 |
・歌劇「エレクトラ」 | 4本必要 (5-8th Hr 持ち替え。楽章中にHrとの持替有) tenor tuba ×2、Bass tuba ×2 ・練習番号173aの4本による弱奏の和音進行 ・練習番号269の4本による強奏の旋律 |
4.I.ストラヴィンスキー | |
作品 | 編成/メモ |
・バレエ音楽「火の鳥」1910年版(原典版) ※最も演奏されることの多いのは1919年版(組曲版) |
4本必要(13番目の「不死の魔王カスチェイの入場」に突入する前に、tubaバンダとして登場)tenor tuba ×2、Bass tuba ×2 ・わずか13小節間を気味の悪い和音が奏でられる ※実演にて。東京交響楽団によるミューザ川崎での演奏会(2010年2月28日)ではパイプオルガン前の上手、下手に2名ずつ配置 |
・バレエ音楽「春の祭典」 |
2本必要(指定はtenor tuba ×2) (7-8thホルンが曲中に適宜持ち替え) 第1部の最終部に登場。 ・長年の問題 譜面はB♭調で書かれている。しかし、B♭ basso、B♭ altoの指定が無いため、奏者の間では様々な論争がある。ただ、後者のaltoの場合、かなり音が高く、ちょっと変なwwアマチュア奏者はaltoを選択する傾向にある。指揮者が気づかない限り、どちらで演奏しても良いのではという通説もある。個人的には、無理してB♭altoで演奏して音を外すのであれば、B♭bassoを選択し、楽器特有の野太い音をエッセンスとして曲に加えるのが良いと思っている。さらに私見として下記理由により、B♭ Bassoを選択したいと思う理由を2点述べたいと思う。 (理由1) ホルンの1、3番の主旋律音域とかぶってしまい、両者の旋律の対比が薄っぺらくなる。もし同じ音域であれば、ホルン5番6番に担当させればよいのであって、わざわざ中音域の野太さが持ち味のワーグナーチューバは使わないのではないか、ということ(私見)。 (理由2) 少し触れましたがwagnertubaの楽器の特性が全く生かされないのでは?と疑問を抱いてしまう点、1オクターブ上げてしまうと音がやせ細ってホルンに対等できない。ただ、楽器をうまくコントロールできるのであれば、B♭altoの選択も否定はしない。いずれにしても先ずは指揮者の意図を汲むのが良いと思われる。 |
5.B.バルトーク | |
作品 | 編成/メモ |
・中国の不思議な役人 | 2本必要(要ミュート) |
6.A.シェーンベルク | |
作品 | 編成/メモ |
・グレの歌 | 4本必要 (7-10th Hr 持ち替え。楽章中にHrとの持替有) tenor tuba ×2、Bass tuba ×2 ・弱奏で歌唱とのアンサンブル有。全編を通じて弱奏で特徴的な旋律を奏することが多い。 |
7.スティーブン・コーディル | |
作品 | 編成/メモ |
・ワーグナーチューバと管弦楽のための「エーデル・ラプソディ」 | ソロワーグナーチューバ1本 ・世界初のソロワーグナーチューバ(B♭管)のための楽曲。作曲者のワーグナーチューバへの情熱、愛情がこの曲を生み出しました。 こちらから視聴できます(作曲者のwebsiteにて譜面も購入できます。10分ほどの曲です) |
8.エリザベート・ルティエンス | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Quincunx |
・4本必要(Bass
tuba ×4) ・solists(恐らく歌唱)、合唱、オーケストラと共にF管の ワーグナーチューバ(バスチューバ)4本を用いた楽曲 |
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作品 | 編成/メモ | |
・8本のワーグナー・チューバのための《5 Dramatic Pieces》 | 8本必要 | |
10.ヤン・クーツィール | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Skurrile Elegie über Richard Wagner op.86 Nr.2 for Wagner Tuba and String Quartet | ||
11.ホルヘ・E・ロペス | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Gonzales the Earth Eater for Solo Wagner Tuba and Four Instruments | ||
・Dome
Park for 82 Instrumentalists |
8本必要 tenor tuba ×4、Bass tuba ×4 |
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12.フェリクス・ドレーゼケ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・序曲『歓喜』作品65 | 4本必要 tenor tuba ×2、Bass tuba ×2 |
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13.ジェリー・ゴールドスミス | ||
作品 | 編成/メモ | |
情報求む (調査中) | ||
14.トーマス・アデス | ||
作品 | 編成/メモ | |
歌劇「The Exterminating Angel」 |
オプションでワーグナーチューバを指定 | |
15.ソフィア・グバイドゥリーナ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Concerto for viola and orchestra | ||
16.ジョン・メルビー | ||
作品 | 編成/メモ | |
17.マイケル・ナイマン | ||
作品 | 編成/メモ | |
18.アレックス・プリオール | ||
作品 | 編成/メモ | |
19.エイノジュハニ・ラウタヴァーラ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・交響曲第3番 | tenor tuba×2、bass tuba×2 第1楽章、第4楽章に登場 |
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・交響曲第4番「アラベスカータ」 | 色彩豊かな金管のサウンドを表現するために使用 | |
・kaivos - the mine(全3幕からなる歌劇) | ワーグナーチューバを使用した特別な理由として、「強さ」、「厳格さ」を表現するため。 | |
・Angels and Visitations | ||
20.エウリコ・カラパトソ | ||
作品 | 編成/メモ | |
21.エサ・ペッカ・サロネン | ||
作品 | 編成/メモ | |
Insomnia | 4本必要 | |
22.ラグナル・セーデルリンド | ||
作品 | 編成/メモ | |
23.グスタフ・マーラー | ||
作品 | 編成/メモ | |
(採用見送り) 交響曲第6番「悲劇的」の終楽章 |
「テナーチューバ×1、バスチューバ×1、テナーホルン×1」を”3 extra
instruments"として採用を検討したが最終的には譜面に記載されなかった(理由は不明)。 (参考文献:The Wagner Tuba by W.Meltonより) |
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24.リカルド・マトジーニョス (ポルトガルのホルン奏者) |
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作品 | 編成/メモ | |
・Blues for Marco, op.85 | wagnertuba×1,horn×1 | |
・Wagner Tuba Sketch, Op.22 | wagnertuba(Bb Wagner Tubas)×4 | |
・Song without words, Op.80a | tenor Wagner Tuba in B♭ (optionally for horn)×1、piano×1 | |
・Siegfried & Fafnir, Op.77a, for wagner tuba (or horn) and piano | It is a piece written for Tenor Wagner Tuba in Bb, with a F part, this way it can be played on a horn. | |
25.ロバート・デビッドソン | ||
作品 | 編成/メモ | |
26.エドガード・ヴァレーズ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Amériques for large orchestra | 編成中のBass tubaはwagnertubaか調査中 | |
27.アレック・ワイルダー | ||
作品 | 編成/メモ | |
28.ジョンウィリアムズ | ||
作品 | 編成/メモ | |
29.フリードリヒ・チェルハ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Mouvements I-III for chamber orchestra | Mouvement Vに2名のホルン奏者がF管ワーグナーチューバに持ち替えて演奏。”clusters and densities of sounds"を表現する。 | |
30.ベルント・アロイス・ツィンマーマン | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Die Soldaten(反戦オペラ) | tenor tuba×5、Bass tuba×1 | |
31.ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Das Floss der Medusa:Roman | ||
32.マイケル・ホーウッド | ||
作品 | 編成/メモ | |
・交響曲第3番「アンドロメダ」 | ||
33.J.P.オステンドルフ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Chor fur Orchester | ||
34.A.リード | ||
作品 | 編成/メモ | |
・In Memoriam | ||
35.W.エイスマ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Vanbridge-concerto. For homplayer and orchestra.
[Partition. Reproduced from the composer's manuscript]. |
BassTuba(in F) | |
36.E.エイサー | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Tornadas | ||
37.S.ボリース (元・ベルリンフィル コンサートマスター) |
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作品 | 編成/メモ | |
・Musik fur Waldhorn’ Op 109 Book 3, No. 4 | ||
38.C.シェアー | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Small Concerto for piano and orchestra | ||
・Night-music | ||
・Tongues | ||
39.C.ルース | ||
作品 | 編成/メモ | |
・交響曲第1番 | ||
40.T.ゴシュ | ||
作品 | 編成/メモ | |
・Uriel's flame for Wagner tuba quartet and bass tuba | 4本必要 | |
・The 7 Deadly Sins (of a dog) | ||
41.M.ハメル | ||
作品 | 編成/メモ | |
・De rode kimono : for flute, oboe, clarinet, bassoon, piano and Wagnertuba | wagnertubaを含む小編成室内楽曲 | |
42.G.Bachlund | ||
作品 | 編成/メモ | |
・The Hoard of the Gibbelins | ホルン、メゾソプラノ(歌唱)、ピアノのための楽曲だが、ホルンをワーグナーチューバで演奏することも可。 | |
(番外)ヤナーチェク | ||
作品 | 編成/メモ | |
・シンフォニエッタ | バンダ隊にtenor tubaが出てくる。恐らくワーグナーチューバを意識して書かれたものではないと考えられるが、音域的にワーグナーチューバを用いる選択肢もある。 |
■Tenor Tuba=B♭管Wagner Tubaを、Bass Tuba=F管Wagner Tubaを使用するのが慣例です。ただしG.ホルスト作曲の「惑星」で指定されているTenor TubaはWagner Tubaではありません■
管理人のワーグナーチューバ演奏の様子
2005.10.15 愛知県芸術劇場コンサートホールにて
「ローマの松」よりアッピア街道の松