激安ホルン改造記録

(この記録は所有者本人様に時系列の情報、写真をリアルタイムで頂きながら

完成後に作成したページです。画像等の無断転載は固くお断りいたします)

2004年6月某日

 某中国製ホルン B♭シングルを購入。以前からホルンの構造上から来る音程の不安定さに不満があったため、思い切って中国製のホルンを改造する事に。3番C上昇、4番(A stop)Eb上昇、3+4番F上昇へ。

元の姿

改造後

改造に当たっての問題点:ロータリーのカタカタ音、音質、不安定な音程

ロータリーのカタカタ音の改善

ストッパーのゴムにカッターで傷(溝)を付ける事で解消

音質の改善

 ラッカーを剥がせば音が良くなると思い、無駄でした。ところが、ベルから内部を覗き込み、もしやと思い、クレンザーとパイプ掃除用のタワシを取り出し、内部を研磨したところ、音質がかなり改善されました。音質のイマイチな原因は、ベル側の最後の管の内部が非常に荒い面で仕上がっている事にありました。更に錆から判断して金属組成が通常のイエローブラスと異なる。冶金の工程での問題点として、温度管理が上手くできていないのか均一な合金ではないということ。またオリジナルの状態ではラッカーが超厚塗りのため響きが止まっている。

不安定な音程の改善

 管自体の材質は良いものでした。しかし各管の組み付け不良(管の接続に0.1mm-0.2mm程度の狂いがある)も、楽器をばらして、再び正確に組み立てることで安定するようになりました。ロータリーに出入りする管の組み付けがイマイチで、ロータリー間の組み付けは問題ないようです。

改造について

 マウスパイプの制作。手持ちの某社製のFナチュラル管をばらして新たな管の制作に使用。

試奏インプレッション

抵抗感が少なく、丁寧に吹いてやると明るい目の良い音がするが、若干深みに欠ける。音程はかなり改善され、ロータリーも滑らかで良好なアクションです。

今後の予定として、3音半のナチュラル管を作り、3番をゲシュトップ管の用に使えればと考えています。他の管もチューニング位置を考えなければなりませんが。そして小指フックの取り付け方考えること。満足行く出来に仕上がってくれば銀メッキをかける予定。

今回の費用としては楽器代5万円、Fナチュラル管代2万円、改造費2万8千円+消費税5%

最後に

 アレキサンダーやクルスペのような高価な楽器を以上のような改造を加えるのは、アマチュアであるということもありますし止めた方がよいです。安価な中国製であったため思い切った改造ができるわけで、改造=万能ではありません。