2010年7月 ホルン奏者のつぶやきと思った事日記

7月3日「ワーグナー&ブラームス」

 雨雨でっせー。梅雨真っ盛り・・・。本日はマイスタージンガー第1幕への前奏曲、ブラームスシンフォニー2番。マイスタージンガー、1番ホルン吹きますm(_ _)mまだ練習始まったばかりなのに弱音。吹ききれる自信がない。、難しいパッセージがどうたらこうたらっていう以前に通して吹き切れませんのやわ。まあ自分でやると行った以上は何としてでも(どんな手を使ってでも)それらしく聞こえるように演奏せねばならぬ。つまりだ、ぶっちゃけ、手抜きの部分も入れるってこと。アシスタント付けるのも微妙だし、他のパートの番数の方にお願いしてもいいんだが、なかなか・・・。意外にコツを掴んで、ばてなくなってきたりするのを期待してるんだが。とりあえず今日はソロっぽいところだけしっかり音を張ってがつりがつりと吹いたが、やはりやはり力つきてくると休みが多くなる(周りの一部の方には当然バレバレなんだが、お客様にばれなければ大丈夫。オケ全体的にはどうか???さらえてないなあ・・・。まあテンポが劇的に動くところなんてほとんどないんだけど、中間部がばらばらばらばら。上手い中華屋のチャーハンのようにパラパラしてる。もっと天津飯のように、どろーーーーーーーーーーーってからみつくような、ねばっこい・・・って、それは違うか。まあいずれにしても、基礎練習がんばって、これくらいの曲は3回くらいは通してもばてないようにしないとな、マーラーなんか吹けねーよなー。

さあ、ブラームス。トレーナーです、指揮台に登ってちょっといい気分だが、緊張。人前は苦手・・・。今日のメニューは第2,3楽章の慣れる練習かな。そうですねー、今の段階では、さらっている気配があま見られないので、どうこう言えませんな。この時期にしてもう完成ってことはないのだけれでも、せめてスコアを用意しないか??地図を持たずに行ったこと無いところにいくみたいなもんだぞ。シベリウスの5番なんて特にそうだわ、やったことある人がごく僅かだし、未開の曲だからさ、なおさら。話は脱線したけど、もう少し丁寧に弾いたり吹いたりしないですね。ちょっとやってください!!って弾いたり吹いたりしてもらうと意外にできるし、もう一息やでってところが結構あるんですよね。そういうときに少しさらってあるとか、スコアリーディングをしたとかっていう経験が差となって現れてくるもんです。平日に仕事しながら練習ってのもなかなか厳しいと思いますしね。だからtuttiの場がさらう場所であっても仕方がないと僕は思うんですね。ただ、せっかく練習にきて何も得るものが無く座ってるだけでは、時間と金の無駄。なるべくならトレーナーがそういうのをサポートする立場でなくてはならないと思うんです。だって、いつさらうの??そうでしょ?自宅でっても厳しいし、せめてカラオケボックスくらいしか手がないわけだし。だからそこはこちらはとがめることはできない。練習できる人、できない人色々いるのはやむを得ない。でも良い演奏をするためにはさらう時間を要するものです。だから、いっそうのこと途中でtuttiを辞めて「今からさらう時間」って言ってもいいんですよ。もちろん良い意味で。言いたいことがまとまらんですけれども、人それぞれ環境が違うし、取り組み方も違う。「練習してくださいよ」っていうより、自発的に「ここを今日は練習してきた」。だからそれを試す場所であって欲しい。毎回の練習が楽しみって思って欲しい。そういう雰囲気になるように頑張りたいと思います、音楽的なことはもっと分かる人がその都度いってくれればいいし、セクションに一人はそういう人がいるしね。

第2楽章、やはり難しいね。前にも書いたけど、4分の4拍子的な部分と、12分の9拍子的なところ。いわゆる、一拍が8分音符2つなのか、それとも3連符なのか、それの融合が苦労しそうですね。感覚的にやってはだめ、理論的にどのタイミングが正確なのかってのを掴んだ上で弾く、吹く、叩く。あとはテンポがかなり揺れる第3楽章。テンポを刻むビート自体は等速。でも音価がかわるのでテンポが速くなったり遅くなったり感じるわけ。こういう類の仕掛けは山ほどあるので慣れてもらうしかない。できているパート、ボーイングもままならないパート、いろいろある。でも言えばやってくれるし、できると思う。あともう一個気になったのが、弦楽器に山ほど出てくる長い旋律。鳴りムラがすごくある。はっきり言っちゃうと「開放が良く鳴ってる」でも小指の指番号の時は・・・・。開放でオ出した音のオクターブの弦と共鳴する共鳴現象がある。共鳴音で振幅が増幅するのでよく鳴って聞こえる。だから開放以外のところと差がつくので、浮き沈みの激しいメロディに聞こえちゃうわけ。次回のtuttiは3,4楽章をいじくるかなあ。

7月4日「トリスタンとイゾルデ初来団」

今日はマーラープロジェクト名古屋の指揮者来団日。三澤洋史先生。お初にお目に掛かります。よろしくお願い申し上げます。声楽家でいらっしゃったみたいですが、1999年から2003年までバイロイト音楽祭で合唱の指導スタッフとして活躍された先生、もちろんワーグナーのスペシャリストとして名を馳せていらっしゃる。現在は新国立劇場合唱団指揮者とのこと(モーストリークラシック7月号より抜粋)。

物腰は柔らかだが、チクチク痛い言葉が飛んでくる。でもそれはオケが容易なところに対応ができないのが悪いわけで。今日はどこの幕のどこの場をやったんだろう。。。とりあえず、前奏曲と愛の死以外はやったような・・・。しかしテンポ変化もさることながら、難しいなあ。音を作るのもそうだし、これが歌い手と合わせるとなるとバランス、絡むところはアンサンブル的なことも考えないといけないし、ダイナミクスはどうすれば合唱をいかせるのだろう・・・とか。

そうそう、今日は譜面の追加が配布された。見ると第2幕の第1ページ目のみ。ん???まさか・・・!!バンだホルン???やっちゃう??っと思いきや、実は幕をつなぐためのつまみ食いだった(笑)。ちょっと胸をなで下ろした・・・。でも2幕の頭をやるおかげで、憧れのFisゲシュトップをやれる機会がめぐってきた。名古屋ムジークフェライン管で聴いたとき鳥肌が立ったんだ。その時、僕はバンダホルンの5番だったけか。その方自体ゲシュトップがものすごーーーーーーーくうまいくって、え、こんな分厚くて輪郭のはっきりした音聴いたことねーよと思い、この曲への憧れが高まったんだよな。そんなことを思い出しながら感慨深げに譜面を見ていると「なんだホルンバンダやらねーのか」と残念がる声も聞こえてきた・・・。特に2幕はあまり手を付けていない部分なので、さらえていなくて残念。その他もまだまだなんだが、今日はテンポ感、アプローチの仕方がすこーし分かった気がする。3幕は熱くてよかったですねー、きっと盛り上がるよ、この演奏会。傑作?と言ったら奏者に失礼かもしれないが、ホルツトランペットが目玉です。傑作なこの楽器、写真取り忘れてしまったんですが、なかったらイングリッシュホルンでやれよ!!っていう指示も書いてあるんだが、それはいかんわ。このへんな空想の楽器でやるべき。アマティのB管をベルと一部の管を取り去って、木製のベルをねじ込む。楽器のバランスも悪いし、音程もないそうだ。実際にこれを演奏する奏者さんと話してたんですが「いやー、これ音程が全くなくってね、指使い見つけるのに1日かかった」、マウスピースも工夫したし、やたら楽器の重心がベル側にあり疲れるし、音程無いからバテバテになるだろうし。ホントに良く演奏してました、鉄パイプに穴を空けたものに口を付けて音程を変えて吹くみたいなもんでしょ、すごいよ。まだまだ今後が楽しみですねー。

7月10日「シベリウス漬け」

 若干遅刻して登場、ごめんなさい。いかんなー、ちょっと最近練習不足。如実に自分の放つ音に現れる。音のコントロールが効かない。弱奏がまったくもって攻められない。まあ、修正しますです。いつも思うけど、良い曲♪。なだけに、自分の演奏が曲想をぶちこわしてる・・・。

本日は第2楽章、第3楽章、さいごにちょっぴり第1楽章。第2楽章、我々のパートはほぼ弱奏入りで音のキリはフェードアウトに近い伸ばしで占められているわけだが、和音進行がすばらしい。シベリウス独特の、もやが掛かったような効果を演出するかのような半音、一音ぶつけを含め、最後は晴れ間が見えるようなドミナントデマ区を閉じる。いいねえ。弱奏の入り、なんとかそろわないだろうか。pppだけど、少しくらいでかく入っても良いから、もうちっと制御できると良いなあ。パート員、全体がね。お約束のごとく、本日、1番3番の重なるところは合うところは皆無。何とかしなきゃだなあ。あとは2番4番も和音にはめられないのは、1番3番の合わないところに起因するわけで・・・。1番奏者としてもう少しイニシアティブを取っていかなきゃだなあ。今の課題は、弱奏になるとアパチュアが極度に締め付けられ、音程が30セント以上上がったり、音の高低差があるところ、最高点からしたに降りたときにやたら高い。そんな傾向が今のうちのパートの問題点。どこもそうなのかもしれないが、ソルフェージュをしっかりと、びびらなずに、すぱっと息を入れて発音したあとに、すーーっと抜けば良いわけで。でも一番の山場は、ソロでも何でもなく、第1楽章の拍子が変わったあと、しばらくすると出てくる、B♭の2小節の伸ばが約30連発。ここで一気にむしばまれる。ばてるってことは、吹き方が悪いんだろうなあ。弦楽器の皆さんも、シベリウス独特の模様のような連続刻みに四苦八苦。これは身体で覚えるべし。人間、頭で覚えているうちは、まず考えるという中継点を経るために、極端にレスポンスが落ちる。だから身体でおぼえることによって無意識で身体が次はどうしたらいいのか反応するようにしておく。すぐには難しいが、どんな局面に置いても身体で覚えたことは身体が勝手にやってくれる。

7月11日「名古屋シンフォニア管弦楽団第57回定期演奏会」

 今日は久々にオーケストラのコンサートへ。4月のワーグナーオケ以来かな。プログラムは、なかなか個性的。メインプログラムはプロコフィエフの交響曲第7番「青春」。サブメインには、白鳥の湖抜粋「シンフォニアバージョン」。オープニングを華々しく飾ったのは初めて聴きます、ドビュッシーの「スコットランド風行進曲」。指揮には、新進気鋭の角田鋼亮氏。

オープニングはオケがまだ暖まってなかったか??今後訪れる劇的な感動を考えるとそう思わざるを得ないが、きびきびした演奏で非常に好演だった。各所に見られたホルンの細かい動きも粒が立っており、ワンワンホールの異名をとる芸文を前にしても一滴もこぼれることなく、こちらに伝わってくる。ええやん。

白鳥湖、オーボエのものすごーーく切ない音色が印象的でした。どうやったらあんな音が出せるんだろう。オーボエの音って好みが非常に別れる、もしくは奏者によってこんなにも違うのか??というくらい千差万別なんだが、すごかったなあ。うまいとか、へたとかそんな問題でなく、僕はあの音が心に響いたさ。スペインの踊り、これはスリリングだった。ぶっこわれそうなくらい暴走するわけだが、核になる弦楽器がしっかりしているためか、管のアンサンブルがちょこっと乱れたくらいでびくともしない。これが安定感!!ってやつだね。弦楽器、気のせいか、内声が埋もれて聞こえたかなあ、バイオリンのプルト数が多いんじゃないかなあ、もしくは1stバイオリンに巨大な力をもつ悪魔が潜んでいるか(笑)。終曲も、たいてい金管が力尽きて、はい、さようならの演奏が多い中、もうそれはそれは、鳴らす鳴らす。120%くらいまでいったんじゃないか??特にトロンボーン、チューバの、ぐいぐいしたから押し上げてくる圧巻のパワー。これぞオーケストラのピラミッド完成!!って感じでしょうか。どこにそんな力を蓄えていたのだろう・・・。特筆すべきは、エキストラの打楽器奏者。どっかでよく見るお姉さん。なんだろう、この天性のリズム感。トラ代、3倍くらい払ってもええんちゃうの??てくらいのすんばらしい働き。今日の白鳥湖は、何となく最後の勢いだけでごまかされた感もなく、非常に素敵なバレエでした。

青春。ついつい、管楽器の音に耳がかぶりつく。これの優勝者は、トロンボーンの1番ですね。見事なソロ。ホントすばらしかった。スライディングテクニックはもとより、音像が非常にはっきりしており、客席で聴くものの心を鷲掴み。3番トロンボーンとチューバの絡みも、ご本人達も「にんまり」の演奏。文章にする必要はないでしょう。ホルンもみなさん達者に吹かれる。何よりも管の安定感(あ、最後らっぱ死にかけてたけど・・・)が曲により一層の安定感を与えていたのが非常に好印象であった理由じゃないかな。それよりも、チェロ、ベースがプルト数そんなに多い訳じゃないのに、しかもそんなにバカみたいに張り切った演奏してるわけでもないのに、すごく効果的に遠鳴りしてましたね。振動としても。あくまでもtuttiということを年頭に、自分だけ目立とう!!って奏者がいないからかもしれない。内情は分かりませんが。とにかく、やたら開放弦の時だけ鳴ってたりする奏者いませんか??鳴りムラがあるっつうのかな。そういうのが見られなくて秀逸。

アンコールはやられた!!プロコのロメジュリきたーーー!!。一瞬、周辺で「あ、ソフトバンクや」って騒然となったぞ!!「モンタギュー家とキャピュレット家」。いうまでたっても、モンテスキューだっけ、キャプ・・・?なんだっけ・・・ッテ感じの題目。ぶんーーー、ぼんーーーー、ぶんーーー、ぼんーー、ホールが飽和した(笑)。ホルンもよくぞハイエフがっつりいったなあ、達者に吹くわ、そこにそんな力が余ってるの?いくら音階と言えど・・・・、すごい。

素晴らしかった。次も楽しみですなあ。次は1月31日。ウェーバーの主題による交響的変容。ブラ1。指揮は黒岩英臣氏。あ、あれ?黒岩先生、3月と4月、マーラー(復活と、3番交響曲)振るんじゃなかったか?。ハードスケジュールやなあ。

7月17日「練習だよー」

更新が遅れてしまった。別にもったいぶってたわけでも何でもないです。ついつい・・・。

今日は管分奏の日。予想通り・・・人はまばら。まあ仕方ないさ。色々事情はあるんだしな。でも18時20分で4人ってどう?18時30分開始なんだよ(笑)。まあ僕も人のこと言えないくらい遅刻常習王なので・・・・。この日は私はブラームスの棒。とりあえず15分だけスコアをパラパラめくりながら「どこやろーー???」って考えていたら、オーボエさんが来て安堵した。最終的なメンツはフルート2人(うち一人はスコア見て、代奏)、オーボエ1、クラリネット2、ファゴット0、ホルン4、トランペット2(うち1人は代奏・・?)、トロンボーン2で分奏。まあこれぐらいそろえば・・・。第3楽章のテンポ変化を中心に練習、第4楽章は音の形を意識しながら流す。うーーん、まあ音程とダイナミクスがぐちゃぐちゃ。もう少しデリケートに吹きませんか?常に全力で吹くばっかりじゃあ聴いてる方も飽きちゃうし、疲れる。もっと譜面に忠実にいきましょう。最後に第1楽章をさらーーりと通して終了。まだまだ練習不足。振る方も、その場限りのミスに対する指摘でなく、全体的な統制となるような意見をして、交通整理をできればな。

さてさて、マイスタージンガー。これは私は1番ホルン。まあ、今日もずっと吹いていられることができなかったバテです。何回も通したら吹けなくなってくるっていっても、ちょい、今の状況はレベルが低い。もう少し維持できるように、息の使い方を節約しなきゃ。大学生の時に名フィルの先生にご教示いただいたことを肝に命じて。「君は、息の使い方を考えて吹けば、もっとうまくなるよ」ってこの一言だけなんだけど、この言葉をいつも念頭においている。うまくなりたいってのもあるし、確かに無駄に吹きすぎる面も大いにあるので注意ですな。必要なところで出す。計画性が足りないのも1つ。あとはソルフェージュができてないために、迷い箸ならぬ、迷い吹きをしてしまい、結果としてばててしまう。マイスタージンガー、シベリウスの5番。両方1番ホルンで不安がつきまとう。最後まで吹ききれるだろうか・・・。でもそんなときに助けてくれるのが、これまでの色んな言葉と、経験であり、周囲である。後列から変な音が聞こえてくることもあるが、それも自分が悪いと思って取り組みますわ。

7月23日「暑い、暑い、暑い」

毎日厳しい暑さで、もう夜でも30℃を平気でオーバーしてる。今日も38℃。街の電光掲示板もそう教えてくれてます(左写真)

今日は当直明けで、睡眠後、灼熱の都会へ。まあぶっちゃけた話、38℃くらい屁でもないですなあ。食品製造工場の殺菌工程で慣らしたこの身体。暑いは暑いが、まあこんなもんかって感じ。まあ強がりはこれくらいにして、さすがに炎天下にあった車に乗るときは一気に汗が噴き出すが・・・。

一路、名古屋市内のヤマハへ。PIPERSという音楽関連雑誌を買うため。今回はおもろい記事がぎょうさん載ってると聞いたので!!一番に目を惹くのは、2番奏者とはなんぞや?との話。N響の名2番奏者、佛坂咲千生氏と、シカゴ響の4番奏者タガ・ラーセン氏の「下吹き対談」。同じく、日本のサラ・ウィリスと題された在京のオケの2,4番奏者としてご活躍の都響・野見山和子女史と新日本フィル藤田麻理絵女史の対談(注・サラ・ウィリス・・・世界最高峰のベルリンフィルハーモニー管弦楽団の女性2,4番奏者)。これまで1番奏者、3番奏者としての演奏機会が多かった私にしてみれば、ほー、ほーと思わせてくれる反面、自分が2番、4番奏者を担当するときに、「音色で音量感をコントロール」なんてことは考えてもいなかったし、バランスというよりは、どうしても音程にばかり意識がいっており・・・。休符などで音を出していない瞬間も「お腹の支えを要する」という驚愕の事実。また、前出のシカゴ響のタガ氏は2番奏者は「柔軟性を持つこと、あくまで他と強調することが大事」、佛坂氏は「自分の音楽を余りだしてしまうとセクションとして成り立たない」と仰ってる。ついつい、我の強い私は暴走してしまい、必要以上にバランスを乱すことが多いと思う。なかなか分かっていても実行するのは難しいんだが、8月のトリスタンとイゾルデ全3幕から抜粋では、2番ホルンを担当する。日常、合わせてもらうばかりの環境だが、ワーグナーの世界で自分がどんな役割を果たしていけばいいのか、もう少し実戦で考えてみたい。

その後、1時間ほど、カラオケボックスにて練習。ミュラーの2、5、6、11でウォーミングアップの後、トリスタンの曲作り。あとは長年の課題のゲシュトップの音づくり。トリスタンはとにかく、上下に振られる際に、音色が変化しないように心がけるべし。ゲシュトップ、第2幕の最初に2番ホルンが奏でる「Fis」のゲシュトップがある。断然オープンの時に比べて息が流れないから、無理矢理息を通そうとして、ついついアタックがきつくなるが、でも頭がきれいにならない、後から鳴ってくるってのがいつものパターン。これを打開すべく、前回の幻想交響曲の第4楽章の時から、少しづつ色んな修正をしていたが余り上手くできない。今日気付いたことは、音は張った状態(張った音が出る息づかい、ふっとい音)で、舌によるタンギングだけに頼るのでなく、のどの奥から息を出すって言うのかな、腹で強烈に支えるって言った方が適切かもしれないが、そうすれば、割と低音域でも歯切れのいいストップ音が出るようだ・・・。再現性がないってのが痛いところだが、何とか今日掴んだ感覚を維持しなきゃな。

7月24日「ブラームスtutti棒」

 今日も37℃を電光掲示板で見てため息をつきながら練習へ。ブラームスの3楽章、4楽章。いまだに怖々前に立ってる感が否めないんだよなあ。とあるお方の薦めで再び指揮台に登る決意をしたが、やはり自分の音楽性のなさ、曲に対する研究が甘いなどなど凹むことばかり。「遅れてます」「音譜詰まってます」と何度もやり直したりするが、「??」な奏者の顔つきを見て自信がなくなってくる、え、僕の耳が腐ってるんか???ってね。リアルにそう感じて冷や汗が流れ落ちる。自分の甘さなんだろうな。だめなものはだめと言い通す、やりきる意識が不足しているようです。ただ!!!今の段階でそれをやってしまったら、曲なんて前に進まないわけで、自分の中では、演奏会3ヶ月前に当たる、8月下旬までには、曲をそこそこ通るようにしようってのが今の目標と定めている以上、細かいことは気にすんなで強引に進めている次第です。ブラームスの2番と言ったら経験者も多い曲。だからこそ、今のはっきり言って通すだけがおおい今の練習は退屈かもしれないが、敢えて今は黙ってついてきて欲しいなあ。全員が少しでも同じスタートラインに立って進めていくこと、敢えて言おう、ボトムアップこそ、今のうちのオケに必要なこと。第3楽章、まだまだ危なっかしいし、勝手なテンポが染みついている奏者が散見されるが、当初に比べればだいぶんやれるようになったと思う、第4楽章は、重い重い。雰囲気で伝わってくるんだが、トランクィロはもっと遅くしないの?という音が聞こえてくる。明らかに引っ張られている。別に過度に遅くする必要もないし、ここは出たとこ勝負で指揮者のテンポにはつけれるだろうと踏んでいるため、あまりテンポは変えない。断言。まだまだ丁寧にさらって、その上で曲を作っていきたいですね。今はひとりぼっちな心境。周囲の雑音に負けないぞ、おー。今日はちょっぴり良いことがあった。単純な私。

7月30日「カラオケボックスにて」

業務の効率化を図り、時間を創出。そしてそれを練習に当てる。今日はそれがうまく行った日でした。

自らの基礎能力の向上に向けて、現在トレーニング中です。とりあえずは音色づくりだ。自分は一人なんだが、色んなキャラクターの音色づくり。天気に例えるならカンカン照りの快晴、凍てつくようなブリザードのような冷たい音、もやの掛かった音、まあ色々だな。とりあえずは音色づくりとはあまりつながらないが、エチュード・ミュラーを10番までピックアップして演奏。うーーん、僅かながら、音を上下に揺さぶられても、アンブシュアが安定して、音程もよくなってきた感があります。ここまで2ヶ月か。でも、まだ、はちゃめちゃな具合なのでせめてゆっくりでも通せるようならなきゃ。近い音の分散和音や、並びの音階の練習に逃げていたここ数年。ようやくなにか掴みつつある。苦しい練習をやらねば上達はありませんな・・・やっぱりここに行き着くのです、毎回。

続いて、明後日に指揮者・三澤氏の来団による「トリスタンとイゾルデ」の練習がある。3番のアシストも兼ねるので、譜面をざーーーっと流す。ずーーと音が興奮状態、張りつめたままの状態が要求されることが多く、さすがに推進力を失う。ストレートな張りのある音の切れ?というのかな、どうしてももたつく傾向で、音程も不安定になる。最近強奏にはめっぽう弱くなってきたので、ちょうど挽回のチャンスがめぐってきたと、泣きながらさらった結果、まあ・・・何と言いましょうか、これで1番奏者を含めた、土台となれると良いのですが、音色がやせるよー・・・。音程は幅広く受け止められるように右手位置も工夫しつつ。第1幕の最後の方がきつい。重くて鈍いボディーブローを徐々に打ち込まれている感があるわ。和音のことも色々考えてはみたが、はっきり言って出たとこ勝負。自分の居場所をあらかじめインプットした上で、低空飛行状態な保ち、いつでもタッチアンドゴー。そんな役目だよな、2番ホルンの譜面は。

その後、シベリウスの5番の1楽章を重点的にさらう。4分の3拍子のEから、ファゴットと、ホルン1,3番の旋律の形を前回の練習で団員さんから指摘を頂き、テヌートを意識して、さらにメリハリをつけることに努めてさらう、さらう。まあなんとか形にはなったかなと。そして、指がからみつく、ペダルGから五線上のBまで一気に2オクターブ駆け上がる変な音階。これは必殺くそ暗記しかない。必殺くそ暗記とは、「身体で覚える」。問答無用で身体にしみ込ませておけばいざって時に対応可能だ。

この時点で2時間のうちの残り20分。最後は、唇の疲労感を非常に感じたのでカラオケ。いや、歌唱力、ソルフェージュの練習だ。

7月31日「マイスタージンガー、シベリウス5番tutti」

うむ、この組み合わせの練習は非常にきつい。まずはマイスタージンガーから。耳を疑う。え、弦楽器のみなさん、ほんまにさらっとるか、ン?????シンフォニー2曲もあるだろうが、あまりにもおそまつ君だよ。びっくりこいてしもうたわ。1回目、通す。何とかかんとか、ほとんど休息なしに全て吹き切れた。昨日練習した効果だろうな。きっと。でもこの後が続きませぬ。死ぬほど休憩ってわけではなかったけど、やっぱり何回も繰り返すと音が出なくなってくるや。木管楽器がフルート1名、ファゴット1名しかいなかったため、昼間部の細かいところは非常にやりにくい状況では合ったが、だいぶん構造は理解できてきた。この曲に限らず、ややこしいところはさらっていない傾向が見え見え。簡単なやりやすいところだけさらうのであれば、正直、幼稚園のお遊戯にも及ばない。やる以上は責任がつきまとうことをもう少し認識したほうがええよな。義務感におしつぶされ、本業を圧迫されそうになるのは、所詮趣味の世界だから嫌だろうと思うけど、音源聴いて、スコア読むだけでも雲泥の差が出る。路頭迷わないための練習、スコアリーディングだとおもいけり。

シベリウス。マイスターよりも壊滅的。え、ほんまにさらとるかね、んん??あまりにぶったまげたため、しばらく放心状態。確かに、スコアでみるとさらう気になれないくらいの、訳のわからない音譜の反復だわ。これは辛いでしょう。でも、そこが何に置いても上達のコツじゃあないでしょうか。とりあえずは1楽章をさらさらーっとやったわけだが、楽譜に忠実でない。カウントが曖昧、中途半端。これこそ音源聴いてスコアみとかないとわからないでしょうが。スコア人数分コピーして配布しよか!っておもうくらいスコアもっとらん・・・。1200円くらい安いもんでしょうが。価値観の相違?ちょっとそこから改善せねばなるまいな。今の段階では通すのも困難。

さあ、どうしたらいいでしょうかね。まずは、ゆっくり演奏するところから始めましょうか♪ゆっくりであれば、音は並ぶ。僕もさらうとき、1オクターブ以上揺さぶられたりするような苦手なパッセージはゆっくり、ぶつ切りでさらう。反復することによってtuttiで少しづつ演奏持続時間が長くなる。そうやって20年以上もやってきた。遠回りはたくさんしてきたけど、コツなんてないと思う。僕みたいに初見に弱いなら尚更。パッと見て、それなりに演奏できりゃあ苦労しないわ。少しづつ、少しづつ。少しづつの積み重ねが大きい改善になる。ただし・・・・。ゆっくりやるにしても、音程良く。ここは崩してはいけない。和音進行が成り立たない演奏ほど聞くに堪えないものはない。僕も時間掛かるんだけど、1個、1個音を読んで、この和音はなんだろうって・・・・。瞬間に分かる人はいるにはいるが、正直、わからないが大勢でしょ。せめて、シベリウス5番、冒頭の和音は??と聞かれたら、Es-durと答えよう!!ブラ2の最初の和音は?と聞かれたら、D-durと答えよう。