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世間を騒がせているノロウイルス!!管理人も感染したことがあります!!↓以下、体験談等お読み下さい!!

*注 1997年5月に改正された食品衛生法で、食中毒病因物質に小型球形ウイルス(SRSV)が追加されました。さらに2003年8月の改正で、この病因物質名が小型球形ウイルス(SRSV)からノロウイルスに変更されました。従って以下のSRSV=ノロウイルスと解釈下さい。管理人の感染当時の名称のまま記述してありますことをお許し下さい。

●ノロウイルスの感染予防のために・・・

1.トイレのあとはよく流水で手洗いする。アルコールやアルボース石けん(緑色のよく見るやつ)等にもノロウイルスは耐久性がありますので、石けんでよく洗って流水でよく洗い流す。

2.食事の前にはよく手を洗う。

3.貝類はよく加熱して食べよう(カキ、アサリ、シジミ、ハマグリ等)

4.家族に感染の可能性があれば医療機関へ行かせ、2次感染を防ぐ(これは感染症です!!)感染者の使用後のトイレは要注意です。

●プロローグ

2003年3月下旬の日曜日の夜。友人との食事である居酒屋へ。そこは海の幸がメインだ。マグロのカマ焼き、カニミソ、刺し盛りなど海の幸に目のない私には最高のメニューだ。その中にはもちろん生ガキちゃんの名前も。友人Aに「ここの店では前に当たったからやめた方が良いよ!!」 友人Bには「2個までなら大丈夫」 でもそんな事は知った事ではない。迷わず食す(1個だけ)

生ガキを食べてから約40時間後火曜日の昼

夜勤を終え睡眠中にもかかわらず昼頃に、激しい吐き気に襲われた。上から下から下痢下痢。熱っぽく、軽い頭痛でフラフラ。水曜日の朝には食欲はなかったものの普通に生活するには特に問題ない状態まで回復。(この時点ではまだ疲れから来る風邪か何かと思ってた)結局それから2日間くらいは食欲はあまりわかず、少々だるかった。

●真相

症状もほぼ治まった土曜に食中毒にも非常に詳しい友人Kとお茶を飲む機会があり、丁度カキの食中毒の 話題が出たがその時に全てがつながった。どうやら私がその時は風邪と思っていた症状はよく考えると軽い食中毒だった。

私が症状を話すと、友人Kも「それは典型的な食中毒ですな!SRSVによるものだね」

●詳細

今回の食中毒の症状:吐き気、おう吐、発熱、下痢、(腹痛)←私は腹痛はなかったが、生ガキの食中毒症状に一致  

 原因:(生ガキ以外の2枚貝にも含まれているがSRSV(Small Round Structured Virus )というウイルスが私の腸管内で増殖し、上記症状を引き起こした

このウイルスの生態系での経路:SRSVに感染したヒトの糞便→下水→海→カキなどの2枚貝→ヒトへ経口感染 と循環してる。またヒトの腸管内でしか増殖できず、食材中では増殖はしない。しかし詳細はまだあまり解明されていないのが現状のようです当時の厚生省は平成9年5月31日付けで食品衛生法の一部改正を行い、食中毒原因物質として新たに小型球形ウイルスと その他のウイルスを追加していますしかーしカキの鮮度とSRSVの含有は関係なく,どれだけ新鮮でもカキがウイルスを持っていれば当たるものは当たる。そこの店の仕入れ先が変わらない限り結局は食中毒発生の確率が下がらないのではないのだろうか?

●K博士のワンポイントアドバイス

「このウイルスは人→人にも感染します。あくまで人の感染症で、通常の食中毒のように食中毒菌に汚染された食品を 食べて感染するのですが、ヒトからヒトへと感染するのが特異的なのです」

 「一般的には被加熱物の中心温度を75℃以上で3分以上加熱するとウイルスは死滅します しかし焼きかきやカキフライも不完全な加熱だとウイルスは死なずに残存するケースもあります。サラダやクリームなどの非加熱食品において恐らく2次汚染で食中毒が出ています。」


   生ガキとは?

食品衛生法では「生食用」と「加熱調理用」に分けられています。生食用カキについては、下記基準が設定されています。

加工基準 :カキを採取した海域又はカキを浄化した海水の大腸菌群最確数が、海水100ml あたり70以下 等

保存基準 :生食用カキは10℃以下で保存、生食用冷凍カキは−15℃以下で保存、清潔で衛生的な容器に入れるかあるいは包装する

成分規格 :一般細菌数:1g当たり50,000以下、 大腸菌群最確数:100g 当たり230以下、腸炎ビブリオ最確数(むき身):1g当たり100以下

オキシテトラサイクリン 0.2ppm以下 スピラマイシン スピラマイシン及びネオスピラマイシンの和として0.2ppm以下

しかしSRSVによる汚染状態とは無関係

 さらに最近よく問題になっている表示について

 生カキを包装して販売する場合は、下記表示が義務づけられてます。表示は「生食用」「加熱調理用」ともに必要です。

 
名称 ・  加工所所在地・加工者名 ・消費期限 ・保存方法 (10℃以下で保存して下さい )

 使用方法 (生食用か加熱用) ・採取海域(採取された海域又は湖沼の表示義務は「生食用」に限る)

            (いやーこんなにも色々規格が食品衛生法で定められているんですねー ふむふむ!!)


店の処分は…食中毒の処分には大きく2パターンに分けられますが

 通常医者が食中毒もしくは疑いの進呈を保健所に提出し、それに基づき調査(疫学的、微生物検査)などを行い、保健所長が判断して、店の営業禁止処分を行う。または営業自粛の措置が取られることもありますね。(店もかわいそうですが、食品の知識がないことで勘弁してもらえない)

 結論としては現状どこから仕入れても食中毒の起こる可能性は高い。

 対策として下水道完備と、下水処理場での処理方法の検討も一考したいところ


 みえのカキ安心情報

 以下の条件の時に情報を出していくそうです。生産者と衛生当局が組んだ素晴らしい方法です。通常、役所の縄張りから言えば生産者は農水部局で衛生当局は手を出さないのですよ。

 ▽伊勢湾周辺で感染性胃腸炎があった時

 ▽一度に50ミリを超える雨量があり、海が著しく汚染された場合

 ▽管内海域で出荷されたカキが原因と思われる苦情があった時漁協、県食品衛生協会志摩支部(ホテルや飲食店が加盟)

  に情報が提供される。

 安心情報は、このような時期に、「生食用カキ」を「加熱調理用」に変更するなど、取り扱いの注意を呼びかける。

                                      (HP「保健所の片隅から」抜粋引用) 


カキに当たらない人は確かにいるようだ。免疫機能は1年程しか持続しないようですが、子供の頃に何度もSRSVにかかっていると耐性?免疫ができているのかもしれないです。実験的には6−14週間後までは再感染に抵抗性をもっている       (「感染症予防必携 1998日本食品衛生協会」より)

                                       

SRSVについてはまだ詳しいことは分らない模様で、研究段階です。何しろ血中の抗体価を測定が難しく免疫獲得の仕組みは不明なのです。一日も早くメカニズムの解明が待たれます。