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第1作目執筆に当たって恒例の前書き

◎古代人

腹が減ったら狩りに出かける、獲物が捕まらなければ腹が減ってても我慢する。変なキノコを食って多分100人くらいは死んでるはず!!

 →食べる前に有酸素運動がきちんと行われ、余剰カロリーが発生しない

×現代人(主に日本人)

腹が減ったら車でコンビニエンスストアに行く。腹が減ってなくても三食必ず食う(義務感・・)

→食品衛生法等に守られ食い物の安全性はある程度保証付きである

→移動手段は主に車。運動もしないでばくばく食べる、肉布団を体にまとうようになり「なんばそんなみっともないモンぶら下げとる・・」って言われそうである

てな感じで現代人は危険を冒さなくても食べ物が簡単に手に入るし、店に売っている物は何を食っても死ぬ確率はほとんど皆無だ。食べ物に髪の毛や虫が入ってたくらいでがたがた騒ぎ保健所へ持ち込む。古代人が見たらこの滑稽さに笑いが止まらないだろう!!(とはいえ異物混入事件を起こしている食品会社を弁護するつもりは全くありませんが・・・)


●肉を加熱して食う

 ライオン・チーターがサバンナを駆けめぐりインパラをしとめ、生で食らいつく。勿論彼らがカセットコンロを囲んですき焼きを食うはずがない。我々人類も最初は生で食っていただろうと思う。しかし2足歩行を始め知能が発達すると色々思考力が働く。きっとこんな感じだ。

ある太古の夏の日・・・

父ちゃん:「母ちゃん、じゃあ狩に行ってくるよ。期待して待っとって」

母ちゃん:「行ってらっしゃい」  そして台所へ(システムキッチンだったら笑えるね)

 「あら、昨日父ちゃんがとってきたイノシシ何か変な臭いがするねー、でも食べられるでしょう、多分ね」

 と、母ちゃんは昼ご飯に昨日のイノシシ肉を食う(もちろん生で)

父ちゃん:「おーい、帰ったでー、今日はまるまる太った豚が、、、母ちゃんどうした、母ちゃん」

      母ちゃんは腹を押さえて苦しんでいる

母ちゃん:「父ちゃんお腹をこわしたみたい 、うっ・・」

   まあそんなこんなで海水をすり込んでみたり、水の中に漬けてみたり、土の中に埋めたり、色々と食い方や保存の仕方を考えただろう

 偶然が偶然を呼び、火の存在、性質を知り、そして火の使い方を覚える。そして何かの拍子でいつも生で食う肉を火の中に落とした。もったいないから食ってみるとこれが美味で、意外と食っても腹が痛くならないなあ・・何てことを繰り返し繰り返し人体実験を重ねながら人類の基本である「食す」という行為を洗練していったのは間違いないだろう。

                                   (これくらいは小学校か中学校で習うと思います)


 ●人類が初めて豚肉を加熱する事を知った日

  むかしむかしのお話。生でしか豚を食べることを知らなかったはるか昔に豚飼いの息子太郎が火遊びをしていたそうです。しかし何かの拍子に家に誤って火が付いてしまい隣接する豚小屋も燃え、中にいた子豚も焼け死んでしまった。しか太郎は焼けた豚小屋から何か今までかいだ事もないような良い匂いがするのに気づき、何だろうと感じ匂いに近づいていく。焼け死んだ子豚からだ。思わずその豚に触れてしまったが、まだ豚は熱く指をやけどしてしまった。その時とっさに口に指を持っていった。たまたまその時焼けた豚の皮が指に付いてきた。彼はその時世界で初めて焼き豚の皮の味を知る事となったのである。そんなときに太郎の\父親が帰ってきた。家も豚小屋も焼けて激怒した父親だったが、父親も焼けた豚の良い匂いに気づき触ってみる。もちろん太郎と同じように指をやけどしたと同時に焼き豚の味を知ってしまった。それ以来、太郎ん家は子豚が生まれるたびに小屋が焼ける。しかし近隣住民が不審に思わないわけがない。色々探ってみると太郎一家の秘密を知る。「小屋を火事にすると豚が焼け死に何とも言えない香りのする最高の料理に変わるんだ!!」(よく考えてみると豚を加熱した事により美味しくなったのではなく、小屋を火事にするという行為が美味を生み出していると考えていた点が笑えます)

   と言う話はイギリスのチャールズ・ラムさんの随筆の中の一つでフィクションです。

   でも一概に嘘とは言えなさそうなところがありますね。

 ●豚にまつわるこぼれ話

 回教徒は豚を食わない。例外もない。しかしおもしろい話がある。ある回教徒の留学生の話だ。飛行機内での話だが、どうやら機内食に豚肉料理が出たらしい。「もちろん食べなかった?」と尋ねると留学生は「食べた、うまかった」。「宗教上食っちゃいけないんだろう?」と聞くと「地上ではだめなんだ。しかし俺はその時飛行機に乗っていて山よりも高いところにいた。そんな高いところにアラーの力は届かないし、宗教は支配しない」と言ったそうだ。

                          いやはや豚のうまさには我慢する事はできないんだなあ。

                                参考文献:大塚 滋著/食の文化史より