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●スーパーにて・・・

「ちょっとーー、店員さん脂肪の少ないやつ、脂肪の少ないやつ」と、かっぷくの良いご婦人が通称「低脂肪乳」を買い求め ようとしている。「私、あれじゃないとだめなのよ、分かるでしょ」。(・・何が分かるのか?ダイエット中か?)とまあ何かとダイエット中の方や脂肪分の気になる方は低脂肪乳を重宝してらっしゃるようである。そんな和やかな光景とは裏腹に乳業界では異変が起きていた。それは平成13年7月11日のことである。公正取引委員会が「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の一部変更を承認したのです。

→内容を簡単に言えば「牛乳」という表示を商品につけるためには生乳100%使用でないといけないということ

身近な例ですと「コーヒー牛乳」や「フルーツ牛乳」という名の商品名が日本から消えてしまうなどなど

(すでに猶予期間も過ぎ平成14年7月11日以降は商品として店頭には並んでないはず)

●法律的に・・・(興味ある方はどうぞ!!)

この話題に触れる上で食品衛生法やJAS法、公正取引委員会の景品表示法が絡むとややこしいので割愛しますが

興味ある方はこちら

本題に入りましょう!! 

 低脂肪乳を購入する際にまずパックを手に取ったら「種類別名称」にどういう表示があるか見るべし!!

(1)部分脱脂乳

 読んで字のごとく生乳の中の乳脂肪分(クリーム)の一部を遠心分離機などで取り除いたものこれが本物の低脂肪乳と言えるでしょう。混ぜ物なしで原料は生乳100%だ。ついでに「乳脂肪分」の表示も見て下さい。(通常の牛乳が約3%に対して)どれくらいカットされているか分かると思います。

 規格としては乳脂肪分0.5%−3.0%

(2)脱脂乳

 生乳からほとんど全ての乳脂肪分(クリーム)を取り除いたもの上記の部分脱脂乳と同様に原料は生乳100%だ。これも本物の低脂肪乳と言える。

 規格としては乳脂肪分0.5%未満

(3)加工乳

 ここに分類されるものは牛乳に比べ乳成分や乳脂肪分が多かったり、少なかったりと購入者の用途や好みによって選択できる。ここに分類されるものは無脂乳固形分(生乳から水分と乳脂肪分を除いた全ての成分)8%以上であれば何でもあり。ただし生乳由来の乳製品(バター、クリーム、脱脂粉乳など)以外のものは加えてはいけない。

低脂肪乳の製造工程

    食品衛生法で定めるところの脱脂粉乳や濃縮乳、乳脂肪分(バター、クリーム)と水で調整。

    生乳を加えているメーカーもある

 この分類が存在するもう一つの事情は輸送コストである。輸送コストを考えると、濃縮還元果汁のように容積を小さくして産地から工場に運んだ方が格安だ。牛乳も同じように水分を飛ばし濃縮乳とし容積を小さくする。その後加工段階で水を加えて濃度を調整すれば(成分変化は避けられないが)良いわけですから。製品としては生乳と生乳由来の乳成分(脱脂粉乳、濃縮乳)を合わせて低脂肪に調整したものですが濃縮・還元などの工程を経ているため香気成分やビタミン類に損失があり、風味は本来のものとは異なる

(4)乳飲料

 ■ここに分類されるものは冒頭で申し上げたコーヒー牛乳やフルーツ牛乳などの嗜好的要素の強いものまたカルシウムや鉄分、ビタミンを添加して栄養強化したもので、現代人のわがままに答えた製品群がラインアップされている。乳固形分(無脂乳固形分+乳脂肪分)が3%以上であれば何でもOKだ。

おまけ「生乳たっぷり使用」という文言を使用したい場合には、生乳の割合が50%以上でなければならず その含有率も表示しないといけない

            

            参考資料 公正取引委員会ホームページより「飲用乳の表示に関する公正競争規約」